洗濯のできる洗濯機が必要です

タオル、下着、ワイシャツ、靴下などの日常の洗濯において、洗濯しても黒ずみが取れない、室内干しすると臭気が発生する、ワイシャツの襟とか袖口を予洗いしなければならない、という問題がある。原因は、汚れが十分に落ちていない、すなわち洗濯ができていないことにあります。

洗濯ができて(洗濯物に黒ずみがなく、室内干ししても臭気の発生がなく、襟や袖口の予洗いの必要がない)かつ洗濯物を傷めにくい、という基本的な洗濯の機能を有し、日常使うことのできる洗濯機が必要です。

 

温水洗濯の機構

 肌に接する洗濯物の汚れは、皮脂・蛋白質等であるが、冷水では洗濯できません。アルカリ性の粉石鹸と過炭酸ナトリウムを40~50 ℃の温水に溶かし、これに洗濯物を30分程度つけ置き・洗濯することで効果的に落とすことができます。

 市販されている温水洗濯機では、冷水を給水し、それを内部ヒーターで加熱しています。温水洗濯を行うと、冷水洗濯と比較して、冷水加熱のために、多くの時間、電力量が必要となります。

 洗濯機で冷水を加熱するのではなく、効率的な(例えばエコキュートなどで)給湯で温水洗濯を行うと、時間、電力量、および洗濯容量の点で冷水洗濯と同様でありながら、汚れが十分に落ちる、日常の洗濯が可能となります。

 水を洗濯槽のヒーターで温めるのは、ヒートポンプ給湯に比べて3倍ほどのエネルギーを使います。

ドラム式洗濯機での実装

 温水洗浄機能のないドラム式洗濯機で、給水栓にはサーモスタット混合水栓を設置し、常温から50℃の間で給水温度調整が可能にしてあります。洗濯に際しては、まず給水温を50℃にし、洗剤は、粉石けんと過炭酸ナトリウムを投入します。洗濯時間は7分に設定して、1分経過したところで5分停止(つけ置き)1分洗濯5分停止を5回繰り返します。これらの時間設定はRaspberry Piでプログラムし、Arduinoが制御を行うようにしています。つけ置きを含む洗濯時間は37分間です。その後、給水温度を30℃に下げて通常の2回すすぎ・脱水で洗濯完了となります。

 

洗濯の結果は、十分に満足できます。ただし給水温調整や、つけ置きのためON/OFF制御が必要です。また、洗濯機の使用説明書では、給湯(高温によるプラスチックの変形を引き起こす)や粉石けんの使用(水に溶けにくく、詰まりやすい)を禁止しています。50℃の水温は、プラスチックを変形させるほどではありませんが、粉石けんを溶かすのには十分です。5年の使用で問題は発生していません。とはいえ、禁止条件での使用は、保証などの点から望ましいものではありません。

 このような「洗濯できる洗濯機」が市販されることが望ましいです。