水道の利用には、エネルギーが消費されます。
上水・下水ともに送配水ポンプ駆動や浄化処理にエネルギーが必要なため、家庭用水道の二酸化炭素排出換算係数は0.54kg/m3だそうです。
(出典:一般社団法人 日本レストルーム工業会)
夏の日照り続きのとき、毎日200リットルを5日間散水した場合、合計1000リットル(1m3)の散水量で、0.54kgの二酸化炭素排出量となります。
浴槽水利用でまかなえばその排出量を削減できます。
一ヶ月に利用できる最大水量はおよそ200リットル×30日=6000リットル=6m3
上下水道あわせた料金はおよそ1800円、3.24kgの二酸化炭素排出量削減が可能です。
図 浴槽水利用
家の設計段階で浴槽水利用を考え、風呂場を2階に、その下を土間としました。
浴室では洗い場と浴槽の排水を別々にしています。
浴槽水を排水すると、フィルターを通った水は1階の遮光タンクに貯められます。
浴槽水は温かいので、遮光タンクでは温度差により新旧の水が上下に分離して蓄えられます。
温かい水は軽く、冷えた水は重いためです。
タンクの下から水を取り出すので、下に溜まった古い水から使われます。
水を利用しない場合でも、オーバーフロー管から古い水が排出され、この高さ以上にタンクに水があふれることはありません。
これが、
浴槽水利用の仕組みです。
ここまでは全くCO2 排出をせずに日常的に2次利用水を得ることができます。
散水などさらに加圧が必要な場合はポンプのスイッチを入れます。
1.水源 湯船の水は毎日200リットルもあり、ただ捨てるのはもったいない。
欧米では浴槽に石けんなどが入り、浴槽水は利用しにくいですが、日本では石けんを洗い流したあとに浴槽に入るため、浴槽水は比較的きれいなまま捨てられます。毎日200リットルきれいな水を捨ててしまうのは大変もったいない話です。
2階に風呂場を作り、その階下を土間としました。
洗い場の石けん水などが浴槽水と混ざらないように間に仕切りを設けました。
2.フィルター
ドイツ製雨水コレクターWISY FS90を使っています。
フィルターにごみがたまっていくのではなく、フィルターを洗い流しながら使える点が優れています。
3.タンク
2階の風呂場階下の土間に400リットルの遮光タンクをおき、水を貯めています。
光を通さない遮光タンクで藻の発生を防いでいます。
新しくタンクに入る浴槽水はタンク内の水より温度が高いため、タンクの上側にとどまり、古い水はタンクの下にとどまります。タンク水の出口は下にあるので、古い水から使われ、タンクの水は使われながら新しい水に入れ替わります。水が使われなかったとしてもオーバーフロー管から古い水が排水されるので、タンク内の水は常に新しい水に入れ替わります。
4.メンテナンス
年に1度、水タンクを空にし、高圧洗浄しています。
5.用途
2011年東日本大震災の影響で水道水が出なかったときはトイレの排水にも使いました。
6.ポンプ
水まきや洗車など水圧が必要な用途のためには、ポンプで加圧しています。